チェックした書籍(資料をいただいた書籍)
アニメペリーヌ物語放映以前のものを主としてチェックしています。アニメが出来る前の抄訳や翻案などは、内容の改編が結構自由に行われていたようですが、放映後の抄訳本はアニメに影響されたようです。1979年以降の新訳本も徐々に調査範囲に加えていきます。
抄訳のパターンとして、前半は、原作通りパリへの入市からスタートするもの、ギヨ園から始まるものの二別。後半は、原作通り以外に、エドモンの死とペリーヌの正体が一度に分かる話のもの、その後日談で、原作にないペリーヌの誕生日にロザリーへ招待状を出すくだりのあるものがあります。
略号 | 書籍名 | 訳者 | 発行年月日 | 参考版数 | 備考 手作り靴の呼び方など | ページ |
岩波版 | 家なき娘(こ) アン ファーミュ (上)(下) |
津田 穣 訳 | 1941年8月15日(上) 1941年11月15日(下) |
2001年10月5日 第5刷 |
アニメの根幹資料としての位置づけ。旧仮名遣い。 地名がこなれていない。セラジェボとか 下巻p154 2〜5タルエルの台詞とビルフランの台詞の取り違えあり 「スペインぐつ」 |
199 282 |
TV放映 | ペリーヌ物語 日本アニメーション |
宮崎 晃 佐藤嘉助 加藤 盟 |
1978年1月1日〜12月31日 | 全53話パリへはいるまでは、独自のストーリー。 花占い、卵の話の省略、カジミール、ベロム先生省略。 「スペインぐつ」 |
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岩崎書店 | 世界少女名作全集4 家なき少女 |
平井芳夫 訳 | 1973年1月30日第一刷 | 1975年1月31日 第4刷 |
抄訳である。最後はオリジナルエピソード。 「草ぐつ」 |
212 |
小学館 | 少年少女 世界の名作文学第22巻 フランス編4 家なき娘 |
津田 穣 訳 おのちゅうこう文 |
1964年12月30日発行 | 初版 | 岩波版を現代仮名遣いに直し、読みやすくした物。 労働問題等に関わるところは省略。 「くつ」もあっさり |
498 中 134 |
講談社 | 少年少女世界名作全集35 家なき娘(むすめ) |
マロー作 西条八十訳 |
1962年10月12日発行 | 初版 | 前半は完訳ペースだが、後半とばし気味。 プルトヌー夫人の訪問のくだりなどはない。 特筆すべきは秘書のペリーヌの服がアニメのワンピースに酷似しているということ。 |
302 |
偕成社抄訳 | 新編少女世界名作選 19 家なき少女 |
マロー作 徳永寿美子 編訳 |
1972年8月1刷 1982年12月15刷 1990年2月改装1刷 |
改装1刷 | ロザリーがアニメ同様マロクール初日に泊めてくれる。 父の従兄弟はカジミールだけ。 みどりの草ぐつ(わらぐつみたいなもの) |
196 |
偕成社完訳 | 偕成社文庫3244 家なき娘〔上〕 偕成社文庫3245 家なき娘〔下〕 |
エクトール・マロ 作 二宮フサ 訳 |
2002年2月初版第1刷 | 初版第1刷 | 完訳現代語、かなりカタカナのまま使用している用語がある。 バンディとベンディットという名前の呼び方の使い分けをしている。 解説が充実。 「エスパドリーュ」 |
327 310 |
ポプラ社版 | たのしい名作童話12 家なき少女 |
マロー原作 城夏子 著 長谷川露二絵 |
1972年2月5日初版 | 1974年5月20日 第4版 |
お話の変異がかなりあります。自由にイメージをふくらませた感じです。 小屋での生活は丁寧にかいています。 「わらであんだながぐつをさんこうにしてあんだくつ」。 アニメペリーヌ物語の企画書にはこの本の影響があるらしく、ペリーヌと意志が通じることの出来るパリカールが出てきます。 |
146 |
日本ブック | こども名作全集4 家なき少女 |
マロー原作 大平陽介著 |
1972年1月15日初版 | 1974年7月15日 第11版 |
訳語など過去の邦訳(津田訳)をかなり参考に書いたような感じ。先に火事がありボルフランがペリーヌにせがまれて葬儀にいく、その後エドモンの死とペリーヌの正体をファブリが知らせる展開。 1フランを100円とみなす解説が付くので金銭的に変な感じである。 「スペインぐつ」 |
250 |
鶴書房 | 少年少女世界名作全集 家なき少女 |
マロー原作 大平陽介著 安井淡絵 |
年代不詳 | 年代不詳 | 古書店にて入手。日本ブックのものと表装以外全く同じ版であることを確認。挿絵も同じ、手元に手に入ったので調べると、110ページで、ロザリーがファブルさん、モンブロさんと呼ぶ。後半の地の文ではファブリ、モンブルーとなっている。 |
250 |
大日本雄弁会 講談社 |
名作物語文庫 家なき少女物語 |
原作・マロー 大平陽介著 日向房子(表紙口絵挿絵) |
1955年 | 1955年 | 古書店にて入手。日本ブックのものと解説本文とも同じであることを確認。訳語、フラン円換算注釈も同じ、挿絵はなかなか良い。この大平版の特徴として、秘書になって服を来て出社すると、御者をしろとボルフランに命ぜられる下りがある。 | 247 |
ソノラマ絵本 | テレビ名作まんが ペリーヌ物語 「アルプスをこえて」 「おとうさんのふるさと」 |
前田忠構成・文 木村光雄絵 |
1978/03/10 1978/03/25 |
1978/03/10 1978/03/25 |
鶴ひろみさんの音声による朗読ソノシート付き 2巻目は放映とはデザインもお話も違う 1巻目もパリ以降キャラクターデザインが異なる くつの話はない |
24 24 |
カバヤ文庫 | カバヤ児童文庫 2巻11号 家なき娘 |
[H.H.マロ]原作 カバヤ児童文化研究所編 |
1953/01/04 | 1953/01/04 | カバヤ食品様から情報提供がありました。5フラン銀貨の事件、パリカールとの再会、小屋での手作り生活など重要エピソードはあるとのこと。参考カバヤ文庫「家なき娘」をどうそ。 読みましたところ、125ページに非常にバランス良くまとめています。わずかな手直しと、挿絵をアニメペリーヌに変えて再版すれば、名作文庫菓子でも出せるのでは...。 現在、岡山総合文化センターのサイトでカバヤ文庫が全文読めます。 |
125 |
Buccaneer Books Cutchogue, NewYork |
Nobody's Girl |
Hector Henri Malot translated from French by Florence Crewe Jones |
1922 | 受注生産 | 絶版本を復刻する会社が写真製版によって作った図書館向けのハードカバーの豪華本です。ちなみに抄訳です。挿絵も何もありません。 くつは単純に sandals (サンダル ) この本から、菊池寛が小学生文庫向けに直接訳したのかもしれません。 |
301 |
CLE INTERNATIONAL | LECTURES CLE EN FRANCAIS FACILE EN FAMILLE |
Edition:Martin Ollivier Hector Malot |
2002.2 | Fevrier 2002 |
最新といえば最新の本です。 フランス語の初級リーダー本。 カセットテープと同時購入しました。靴のところは省略されています。 |
64 |
Hachette | En famille 1 En famille 2 |
Hector Malot Henriette Muniere |
1982 | 大阪国際 児童文学館 で閲覧 |
2巻組でつきあわせたわけでは有りませんが、原作そのものと思われます。 | 248 248 |
金の星社 | 世界少年少女文学叢書 3 家なき娘 |
アクトル・マアロウ/原作 三井 信衛/訳述 |
1925/04/08 | 大阪国際 児童文学館 で閲覧 |
固有名詞関係の読みはなんだかとっても変でボロボロです。 章の運び、内容の状態から完全に上記 Nobody's Girl からの翻訳と思えます。 |
368 |
興文社 小学生全集 |
興文社小学生全集55(第十一回配本) 家なき娘 |
菊池寛訳 加藤まさを画 |
1928/04/04 | 1928/04/01印刷 1928/04/04発行 |
Nobody's Girl からの翻訳で、文に対応があります。ウイリアムになっています。 | 271 |
春秋社 | 少年少女読物叢書 家なき少女 |
エクトル・マーロー著 須藤 鐘一訳 |
1936/07/05 | 大阪国際 児童文学館で閲覧 |
Nobody's Girl からの翻訳と思えます。ウヰリアムになっています。金銭は円換算。 1925年が初訳と思われる |
538 |
小山書店 | なつかしの故郷 | エクトルマーロー作 宇野浩二著訳 |
1936/11/20 | 大阪国際 児童文学館で閲覧 |
非常に読みやすい。名前がペリイヌになっています。金銭が円換算になっています。中性紙を使っていて本当に良い製本です。こちらもウイリアムなので英語からでしょう。予想ではAdventure of Perrine。 | 229 |
少女クラブ付録 | 少女クラブ付録 33巻6号 5月号 名作映画まんが ピーター・パン (世界名作)家なき娘 |
マロー原作 村松 千代 佐藤 漾子(さしえ) |
1955/05/01 | 大阪国際 児童文学館で閲覧 |
この抄訳はすばらしいです。省略のバランスも秀逸。いわゆる禁止用語もなく、再版可能な感じです。このころは、雑誌付録が豪華です。 | 216 |
集英社 | 集英社少女漫画文庫 家なき少女 |
渡辺まこと | 昭和34年 | 奇抜な内容ではありませんでした、絵は変で、評価不能。 | ||
朝日ソノラマ | 世界名作ものがたり29 ペリーヌ物語 |
花村雅彦文 木村光雄絵 |
1978/03 | 1978/03/25 初版 |
ばっは★さまより資料提供頂きました。ありがとうございます。ベローム先生、カジミールも出てきます。 | 158 |
大日本雄弁会 講談社 |
世界名作全集16 家なき娘 |
マロー原作 水島 あやめ著 加藤まさを画 解説那須辰造 |
1951/04/10 | 1951/12/10 第四版 |
さし絵が紙芝居の様で原画をカラーで見たくなります。さし絵の画家は興文社小学生全集と同じ人。 解説には岩波津田穣版が完訳である旨が書かれています。また、この物語を日本の読者の胸にぴったり合うように書きあらためた、筋の運びにいくらか原作と違った点も出てきたという記述もあり、ロザリーの手紙など独自の展開や、お話の順序の入れ替えなど独特です。 水島あやめ氏はフランス語が読み下せる人ではなく、他訳を参考に書く事の多い作家です。少女向けの創作ものも多く、この本による大幅な創作がその後の平井版や城夏子版などに影響を与えたのではとなかろうかと思えてきました。 「草ぐつ」。 |
346 |
小学館 | 夏休み名作おたのしみブック 家なき少女 ピーターパン から家なき少女 |
三谷晴美(文) 木下よしひさ(え) |
1953/08/01 | 1953/08/01 | 雑誌の付録。絵柄は整っています。文章の要約の仕方も良いです。三谷晴美は、瀬戸内寂聴さんの本名です。同時収録に森やすじ氏がピーターパンのさし絵を描いています。こっちも値打ちものです。 | 51〜85 |
偕成社 | 水島あやめ 家なき少女 |
編著者 水島あやめ | 1941/12/15 | 1942/05/01 再版 | 古書店で入手。前書きにやはり書き直したという記述有ります。後の講談社版よりはページ数の関係か変異が少なく、雰囲気としてはそれ以前の翻訳本の影響もあります。ロザリーへの手紙はありません。 前書きには、第二次大戦後直ぐの世相がうかがえます。 |
178 |
鶴書房 | 世界童話名作全集20 家なき娘 |
マロー原作 壷井栄編著 松井行正絵 |
1953/12/05 | 1953/12/01 | 古書店で入手。ロザリーへの手紙など、水島著作の影響もありますが、それ以外は岩波文庫版の児童向けリライトの感じがします。大きくなったら是非全訳を読みましょうという記述があります。壺井栄全集には収録されていない本になります。 |
178 |
文洋社 | レデイース・ホーム・セリーズ あゝ故郷 |
エクトル・マロオ原著 片岡鐵兵訳 |
1927/10/20 | 1927/12/20 初版 | 古書店で入手。原作の筋の運びにかなり忠実な抄訳。題名も意味が分かる良い題であろう。序文にフランス語原文と英抄訳NoBody'sも参考にしていると書かれているとおり、御者はウイリアム、ヴュルフラン・パンダヴォアヌ。初期の段階でかなり良訳で、プルトヌー夫人のくだりもあらましがある。女学生向け書籍だったので、水島あやめなどはこの本を読んだ可能性が大かもしれない。ただ、その後ブロレタリア作家というレッテルを貼られたので、戦中は読めない可能性がある本だったかもしれない。 | 244 |
未読未見書籍
以下の本は、図書館に無いものが大半です
もし一時貸して下さる方がおられましたらご連絡いただけると幸いです。
また、他にご存じの本がありましたらお教え下さい。
なお選択基準はアニメ「ペリーヌ物語」放映前のものという基準です。
なお、当時のスタッフの方でこの本を読んだという本がありましたらご連絡頂けると有難いです。
出版社など | 書籍名 | 訳者 | 発行年月日 | 参考版数 | 備考 手作り靴の呼び方など | ページ |
婦人之友社 | 雛燕 | 五来素川 | 1917 | 福岡県立図書館に所蔵確認。新少女という雑誌に連載されていた内容だそうです。ばろんさんのサイトで読めます。 | 280 | |
日本書房 | 学級文庫 66 三、四年生 家なき少女 |
マロー原作 伊吹 朝男文 |
1957/03/10 | 232 | ||
日本書房 | 小学文庫 家なき少女 |
マロ原作 伊吹朝男/文 芝美千世/さしえ |
1977/10 | 232 | ||
日本書房 | 幼年世界名作文庫 家なき少女 |
マロ原作 唐沢道隆/文 芝美千世/絵 |
1974 | 176 | ||
日本書房 | 世界童話文庫68 家なき少女 |
マロー原作 志村明子/文 柴原よしえ/絵 |
1953 | 64 | ||
集英社 | 少年少女物語文庫 19 家なき少女 |
マロー原作 岡上 鈴江著 |
1958/05/31 | 154 | ||
集英社 | 母と子の名作文学31 家なき少女 |
エクトール=アンリ・マロ作 大野 芳枝/文 吉川きよし/絵 |
1973 | 162 | ||
集英社 | マーガレット文庫世界の名作18 家なき少女 |
マロ原作 桂木寛子/著 谷俊彦/絵 |
1975 | 180 | ||
集英社 | おもしろ漫画文庫88 家なき少女 |
野沢かずお著 | 1955 | 108 | ||
ポプラ社 | テレビ名作アニメ劇場 家なき少女ペリーヌ |
伊藤久枝/構成・文 石森ヒカル/画 増山省二/美術 |
1978.2 | 絵本と思いますがどんな本だったのでしょうね。 同シリーズでは、一休さんとか赤毛のアンとかでています。 |
29 | |
黎明社 | 世界名作全集 家なき娘 |
マロウ作 堀寿子/編 渡辺郁子/絵 |
1958 | 230 | ||
三十書房 | 新児童文庫 家なき娘 |
エクトル・マロ原作 徳永寿美子著 |
1952 | 76 | ||
あかね書房 | 世界絵文庫 家なき少女 |
マロー原作 吉屋信子著 須田寿絵 |
1951 | 67 | ||
東京漫画出版社 | 名作漫画文庫13 家なき少女 |
寺絽とも文 著 | 1953 | 128 |